かつての私は、自らの作品を展示することについて、「自分」という存在を見せ、またそれをアピールする場だと思っていた。唯一無二の「自分」へ、注目のスポットライトを当ててもらうために。
まだ心は高校生だった新入生の私は、レビュー展に出す作品を作りながらワクワクしていた。でも、選抜展で改めて自分の作品を見た時は、とても恥ずかしい気持ちになった。先輩のレビュー展でも、そういう人がいたというのを聞いたことがあった。当時の私は、それは現在の自分との技術の差によるものだと思っていた。しかし、今自分がその立場になると、それは違っていた。未熟な自分が恥ずかしいのも確かにあるが、それ以上に、当時の自分の人間性が如実に表れているのが恥ずかしい。
展示されているパネル・作品は様々で、個性に溢れている。私が思うに、その個性こそ制作者の持つ人間性である。そして、それを一番よく理解できるのは、自分自身である。自分がどういう人間か、その良い面も悪い面も、展示物から読み取ることができる。
レビューとは、自分自身を見つめる作業で、レビュー展とは、誰かのパネルや作品を介してその人の考えを知り、また自分も考える、学年や領域を越えた一種のコミュニケーションの場としての側面も持つのだと、今回考えるに至った。